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指定名称:蓑首代大手門(みのくびじょうおおてもん)
種 別:有形文化財(建造物)
所 在 地 :宮城県亘理郡山元町坂元字舘下119番2
指 定 日 :平成14(2002)年8月26日
所 有 者 :山元町
大條家の居城「坂本要害(蓑首城)」の三ノ丸跡に位置する大手門。
三間一戸の城門形式で、前面の扉や壁面は欠損しており、梁と柱が露出した骨組みのみが残存しています。屋根は本来、切妻造・茅葺で、本柱に残る痕跡から、正面本柱間に二枚の門扉があり、正面左右の間は下部が羽目板、上部が連子窓であったとみられます。基礎は現在コンクリートで固められていますが、古くは礎石上に直接柱の建つ建物(石場建て)でした。
山元町指定文化財 蓑首城大手門 (平成15年撮影)
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茅葺きの時代の蓑首城大手門 (昭和45年撮影)
平成25年応急処置時に確認した大手門の礎石
正確な創建年代は不詳ですが、藩に提出した貞享4年(1687)の『亘理郡坂本要害屋敷惣絵図』に現在の位置とほぼ同位置に門が記されており、300年以上現位置あった門と考えられています。
現存する大手門については、令和4年度に実施した放射性炭素年代測定の結果から18~19世紀前半頃に伐採された木材が使用されていることが判明しており、同位置で数度にわたる建て替えがあったと推定されます。
貞享4年(1687)『亘理郡坂本要害屋敷惣絵図』の大手門の位置
年代測定を行った大手門の柱材
(平成25年度の大手門応急処置時に採取)
現在、蓑首城の一帯は、堀が埋め立てられ、本丸跡が神社、二ノ丸跡が小学校、三ノ丸跡が宅地として利用されており、同時の建造物はほとんど残されていません。
蓑首城大手門は、藩政時代の坂本要害(蓑首城)の現存する唯一の建造物であり、江戸時代の坂元を知る上で貴重な文化財と言えます。